2015年 05月 19日
『恋の蜃気楼』第4話 |
第4話『登録』
・「婚活サポート会社」
安曇は身近な人を介しての紹介は、うまくいかなかったら、それぞれに迷惑をかけると思い、ビジネスライクなサービスを利用することにした。
ネット上で無料登録のバナーがあったので、安曇はとりあえず登録してみた。
日をおいて、とある「婚活サポート会社」から誘いの電話がかかってきた。
無料バナーへ登録すると、「婚活サポート会社」から誘いがあるのか、金を使ってまでするのか、どうする?安曇は考える。
「婚活サポート会社」からの電話勧誘だ。話しぶりはすごく丁寧で、親切である。まあ営業の電話であればそうであろう。
電話をかけて来たのは、今後安曇の担当者となる高垣さん。
その事務所へのアクセス方法も親切に説明してくれている。
安曇は、そのような紹介システムを使ってでも紹介してもらわないと、女性との出会いのすべがなく、いろいろ考えたが、一旦話だけ聞くことと自分の中で整理して、用心深く説明を聞くことにした。
安曇は土曜日に大阪へ出かける用事もあったので、土曜日の午後に約束をして、その日約束の時間に事務所へ出向いた。
婚活サポート会社といっても安曇はこれまで関わりも持たなかった企業なので、用心深くその事務所へ出向いて行った。
婚活サポート会社のビルに入り、受付に出てきた女性に、「一歩足を踏みいれると、お金が必要ですか」とやんわり伺った。「必要ないですよ」
その女性は思っているだろう、このオッサン何を考えているのだろう、そこまで印象悪いかと。
打ち合わせコーナーに通され、担当者が出てくるのをしばし待った。
そして安曇の前に若い女性が現れた。若い女性だがしっかりした顔つきをしている。
挨拶をして話を伺っていると、安曇より緊張しているように思われた。
安曇に電話をよこした担当者高垣さんから、婚活を思い立ったことなどいろいろと質問があった。
安曇は結婚以前に「恋」を思い立ったことや、今50代後半になって行動を起こす経緯などを説明していた。
高垣さんはそんな安曇を見ていて、相当な堅物だと見えたようだ。確かに安曇自身自分を堅物だと思っている。
そんな安曇の姿に高垣さんは、対応するに緊張していたらしい。
一通り説明を受けて、安曇は改めて高垣さんへ伝える。
「初めに言っておきますが、私はお金がありません。先日お電話をいただいて、話だけでも聞いてみようと思ってこちらへ寄らしていただきました」
「安曇さん、費用については色々とメニューがあるので、ご相談に応じられますよ」
安曇は勤続記念褒賞で勤務先からいくらかなお金をもらったことで、そのお金でできる範囲のことで済ませようと思っていた。そして担当の高垣さんへ活動を展開するにあたってどのような費用となるのかを尋ねた。
高垣さんに作ってもらったメニューを見て検討する。
安曇は長い時間やっていても結果は同じだろうと思っていた。安曇に機会があるのだったら、早々に見つかるだろうし、「恋」や「結婚」に縁がなければ、いつまで続けても結果は出ないだろうと。
高垣さんは期間限定で半年、お見合のみ(パーティーには参加しない)ということでサービスを受ける内容を選択した。
成婚料もないシンプルなサービスだ。
安曇はクーリングオフの説明を受け、契約内容もしっかりしているので、一旦契約して再度確認して具合が悪ければクーリングオフするつもりで、一旦「婚活サポート会社」を後にした。
その日は次の予定が迫ってたので、近々に改めてスステムの運用についてレクチャーを受けることにした。
安曇は帰宅して、改めて契約内容を確認し、初期投資の費用を振り込み、月次管理費名目で引き落としされる口座の手続きを済ませ。「婚活サポート会社」で活動を始めることにした。
・「独身証明書」
「安曇さん登録していただくにあたって、お写真、住民票、所得の証明になるも、そして『独身証明書』を用意していただけますか」
「え?『独身証明書』?ですか」
安曇は初めて耳にする言葉に戸惑った。
高垣さんは『独身証明書』は本籍地から発行されるという。それが必要なので取り寄せるようにという。
安曇は、確かに「婚活」する上では独身でなければ、それは詐欺になると思う。また役所が『独身証明書』たるものを発行しているなどとは知らなかったので、一つの発見だった。
安曇は自身の本籍地へ、手紙で『独身証明書』を取り寄せた。実際に名称は違っていたが、確かに独身を証明する書類だった。
世の中には色々な書類が存在するものだと感心したのだった。
・「婚活サポート会社」
安曇は身近な人を介しての紹介は、うまくいかなかったら、それぞれに迷惑をかけると思い、ビジネスライクなサービスを利用することにした。
ネット上で無料登録のバナーがあったので、安曇はとりあえず登録してみた。
日をおいて、とある「婚活サポート会社」から誘いの電話がかかってきた。
無料バナーへ登録すると、「婚活サポート会社」から誘いがあるのか、金を使ってまでするのか、どうする?安曇は考える。
「婚活サポート会社」からの電話勧誘だ。話しぶりはすごく丁寧で、親切である。まあ営業の電話であればそうであろう。
電話をかけて来たのは、今後安曇の担当者となる高垣さん。
その事務所へのアクセス方法も親切に説明してくれている。
安曇は、そのような紹介システムを使ってでも紹介してもらわないと、女性との出会いのすべがなく、いろいろ考えたが、一旦話だけ聞くことと自分の中で整理して、用心深く説明を聞くことにした。
安曇は土曜日に大阪へ出かける用事もあったので、土曜日の午後に約束をして、その日約束の時間に事務所へ出向いた。
婚活サポート会社といっても安曇はこれまで関わりも持たなかった企業なので、用心深くその事務所へ出向いて行った。
婚活サポート会社のビルに入り、受付に出てきた女性に、「一歩足を踏みいれると、お金が必要ですか」とやんわり伺った。「必要ないですよ」
その女性は思っているだろう、このオッサン何を考えているのだろう、そこまで印象悪いかと。
打ち合わせコーナーに通され、担当者が出てくるのをしばし待った。
そして安曇の前に若い女性が現れた。若い女性だがしっかりした顔つきをしている。
挨拶をして話を伺っていると、安曇より緊張しているように思われた。
安曇に電話をよこした担当者高垣さんから、婚活を思い立ったことなどいろいろと質問があった。
安曇は結婚以前に「恋」を思い立ったことや、今50代後半になって行動を起こす経緯などを説明していた。
高垣さんはそんな安曇を見ていて、相当な堅物だと見えたようだ。確かに安曇自身自分を堅物だと思っている。
そんな安曇の姿に高垣さんは、対応するに緊張していたらしい。
一通り説明を受けて、安曇は改めて高垣さんへ伝える。
「初めに言っておきますが、私はお金がありません。先日お電話をいただいて、話だけでも聞いてみようと思ってこちらへ寄らしていただきました」
「安曇さん、費用については色々とメニューがあるので、ご相談に応じられますよ」
安曇は勤続記念褒賞で勤務先からいくらかなお金をもらったことで、そのお金でできる範囲のことで済ませようと思っていた。そして担当の高垣さんへ活動を展開するにあたってどのような費用となるのかを尋ねた。
高垣さんに作ってもらったメニューを見て検討する。
安曇は長い時間やっていても結果は同じだろうと思っていた。安曇に機会があるのだったら、早々に見つかるだろうし、「恋」や「結婚」に縁がなければ、いつまで続けても結果は出ないだろうと。
高垣さんは期間限定で半年、お見合のみ(パーティーには参加しない)ということでサービスを受ける内容を選択した。
成婚料もないシンプルなサービスだ。
安曇はクーリングオフの説明を受け、契約内容もしっかりしているので、一旦契約して再度確認して具合が悪ければクーリングオフするつもりで、一旦「婚活サポート会社」を後にした。
その日は次の予定が迫ってたので、近々に改めてスステムの運用についてレクチャーを受けることにした。
安曇は帰宅して、改めて契約内容を確認し、初期投資の費用を振り込み、月次管理費名目で引き落としされる口座の手続きを済ませ。「婚活サポート会社」で活動を始めることにした。
・「独身証明書」
「安曇さん登録していただくにあたって、お写真、住民票、所得の証明になるも、そして『独身証明書』を用意していただけますか」
「え?『独身証明書』?ですか」
安曇は初めて耳にする言葉に戸惑った。
高垣さんは『独身証明書』は本籍地から発行されるという。それが必要なので取り寄せるようにという。
安曇は、確かに「婚活」する上では独身でなければ、それは詐欺になると思う。また役所が『独身証明書』たるものを発行しているなどとは知らなかったので、一つの発見だった。
安曇は自身の本籍地へ、手紙で『独身証明書』を取り寄せた。実際に名称は違っていたが、確かに独身を証明する書類だった。
世の中には色々な書類が存在するものだと感心したのだった。
by k2675
| 2015-05-19 23:35
| 恋の物語