2015年 10月 03日
『恋の蜃気楼』第16話 |
・「距離を置かれる理由」
その後未だ登録期間が残っているということで、お見合い申し入れを続け、多くの申し入れを断られながらも、5名ほどの女性とお見合いをし、安曇が断った相手もいるが、また断られ、結果には結びついていなかった。
安曇は女性そのものに距離を置かれていると感じていた、女性との距離を縮められないと改めて実感している。
これまでのお見合いで、女性と会っているとなぜか距離を置かれているように感じる。決して悪人には思われていないようだが、そのことは感覚的なことで言葉では説明できない。
安曇は、知り合いの女性にどのような会話、態度を取れば距離感がなくなるかを教えてもらおうと考えている。
そしてそのことを相談した。
これまでのお見合いでの状況を説明すると、「分析されている」という感じを与えてしまっているのではないかという。
安曇は意識なく相手、知り合いのことを観察し分析しているのかもしれない。そんな空気を、相手の女性は感じ取っているのかもしれない。
友人は今更違う人格を変えられないだろうし、また演じてもしょうがないだろうという。
そういう安曇でも気に入ってくれる相手を見つけたらいいというが、それはそうと名人数に会わなければならないだろう。その数会う以前に申し込んでもスルーされていてはどうしようもない。
分析されているという感覚になるのは警戒心だろうか、本能だろうか。その警戒心を抱かせない姿、行動を、安曇は取れるのだろうか、心もとない。
結婚するということは簡単なことではないことを安曇は理解しているつもりだ。すべて安曇の自力だ、もちろん周りの人は親身になって応援してくれる。
しかし立ち入ることはできない。安曇は「恋」をして、婚活までたどり着けるのか。
友人は自然な出会いを薦める、それも相手は若い女性にしなさいと。
・「年の差」
友人は自然な環境での出会いを薦める、しかし男にそのような環境はない。
さらに、若い女性にしなさいと安曇に言う、機会に恵まれる様相は安曇には全くない。
婚活サポートの高垣さんは、お身に入りに入れお見合いを申し込んでいる相手が若すぎるという。男が申し込んでいる相手の女性との歳の差が15歳もある場合もある。そこで高垣さんは、逆に15も上の女性が男に申し入れても、あなたはスルーするでしょうという。
その感覚に男と高垣さんとの間にギャップが存在する。
男と女の関係ならばやはり男が年上だろう、その年の開きは男と女の場合の間隔は違うのではないかと思う。
いまどき若い男が「熟女」を追い、若い女が「ファザコン」といって父親ほどの男を追うこともあるようだ。
なんでもありの世の中になっているが、だと言ってこうあらなければならないというのもないだろう。
男は年の差と、こうする容姿との開きをいかに埋めるかも課題だ。
・「申し入れ、申し入られ」
この申し入れはサポート会社に登録している、相手方のプロフィールから、本人がお気に入りを見つけ、お見合を申し入れるのだ。
安曇はプロフィールから気に入った相手を見つけ、申し入れを登録したが、30名ほどいるのか数えてはいなかったが、すべてスルーされた。
プロフィールだけで却下されているのだ。会ってもいない、安曇の性格も垣間見えない状況で。その後お見合いをした相手は全て相手方から申し入れがあった女性ばかり。それもあってすべて縁がなかった。
安曇は、「あのプロフィールの女性たちは実在するのか」と思って見たりもする。そして申し込まれてあった女性たちはスタッフではないのかと。
そんなことはないのだろうが。
by k2675
| 2015-10-03 15:01
| 恋の物語